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平和学習1 糸数アブチラガマ

2010年08月22日

Posted by miyu★kaki at 00:37 │Comments( 1 ) イベント
戦争を知らない私たちが
戦争の悲劇を語り継ぐ舞台をつくる。
そうだ!まずガマに行こう。


那覇青少年舞台プログラムが毎年、「那覇平和芸術祭」の参加作品として上演している舞台「那覇センセイション」には、戦争の愚かさや平和の大切さを、次の世代に語り継ぐという大きなテーマがあります。

平和学習1 糸数アブチラガマ
*写真中央の那覇Tを着ているコは、高江洲さんではありません。

出演するメンバーたちは、戦争の気配さえも感じることが少ない環境で育った「平成っ子」たち。
脚本家も演出家も親たちも戦争を経験していません。
だから、戦争の悲惨さを感じてもらう舞台をつくるために
まず、自分たちが感じていなければならないのです。

平和学習1 糸数アブチラガマ

案内役は「なは群星の会」の会長を引き受けてくださっている野底さん。
かなり本格的なガイドです。基本的なことから、わかりやすく説明してくださいました。

私たちが立っている、この地面の下にガマが広がっていること。
ガマが石灰岩の自然洞窟で、県内のあちらこちらにあること。
その中でもアブチラガマは、糸数の住民の指定避難所でもありながら、陸軍病院としても使われた特種なガマであること。

平和学習1 糸数アブチラガマ


ガマに続く階段で
65年前の世界にタイムトリップ


当時、鉄の暴風と言われた激しい米軍の攻撃から、多くの命を守ったアブチラガマに、いよいよ足を踏み入れるときがきました。

平和学習1 糸数アブチラガマ
*ガマの中は撮影禁止なので内部画像はありません

ガマの中は暗く湿っていて、ひんやりとしていました。
足場はかなり悪く、懐中電灯で足元を照らしながら、時には腰をかがめて中へ進みます。

中まで進んでから、再び、野底さんが説明しました。

1945年の3月下旬から7月までの約3ヶ月間、ガマの中で息をひそめて過ごす地元の人々。
負傷兵のうめき声。手足を切り落とすノコギリの音。
人が人でなくなる戦争の狂気にさらされ、あるいは傷口からはいったバイキンが脳に到達した脳傷患者の叫び声。
様々な声がガマの中で響いていたことでしょう。

切断された手足を、危険なガマの外に捨てにいくことを、何度も何度も繰り返す、ひめゆり部隊の女生徒たち。
たいした訓練も受けることなく、充分な装備も与えられることなく戦場に駆り出された学徒兵たち。
同世代の、ただ65年前に生まれたというだけの仲間たちがたどった苦難の時間が、ガマの中には流れているようでした。
そして、懐中電灯などなかったその時代のガマの中を疑似体験するために、みんなの懐中電灯を消してみました。
普段、あまり経験することのない真っ暗闇。目を開けても閉じても変わらない世界は、私たちを不安にします。
見えない分、感覚が研ぎ澄まされ、寒さに震えたり、泣きだしてしまう子もいました。

*具合の悪くなったメンバーについては、父母付き添いで先にガマから出るなど、安全には配慮しました。

さらに場所を移動して、集団自決で生き残った方がつらい思いを振り切り、戦争の悲惨さを伝えていくために書いた手記を、群読メンバーのAヤナさんが朗読しました。

愛する家族に手をかけるという、極限状態。これは映画でも小説でもなく、現実に起こったことです。
「民間人を巻き込んだ地上戦」という日本で唯一の特殊な状況に追いやられた沖縄ならではの悲劇です。
戦争の現状に触れ、胸が締め付けられるような想いをしたことでしょう。
でも、それが私たちが伝えていこうとしている悲惨な戦争なのです。

平和学習1 糸数アブチラガマ

出口を目指して、長い長い階段を昇っていくと、太陽の光が降り注ぐ外の世界が見えてきました。
私たちの曾祖父母(そうそふぼ=ひいおじいちゃん・ひいおばあちゃん)や祖父母たちの多くが、こうやってガマから外に出られたから、私たちが今、ここにいるのです。

平和学習1 糸数アブチラガマ

ガマの中の歩き方。
ガマの中で戦争の話を聞いた時の修学旅行生の気分。
戦争が導いた狂気にみちた日本兵。
現代の若者たちが、突然、戦争の恐怖に触れたときのリアクション。
戦争の哀しみの深さ。

役者・ダンス・群読・バンド、舞台に立つ全てのメンバーに必要な体験ができました。
この体験や感じたことを、今回の平和学習に参加することができなかったメンバーにどう伝えていくか。
新たな、そして大切な使命を得て、参加メンバーたちはひとまわり成長していくことでしょう。

この後、訪れた「平和祈念公園」での模様は、また次回、お伝えします。

最後に、日本の高校野球の頂点に立った興南高校!
優勝おめでとう。


タイムマシンがあったら、学徒兵たちに65年後のこの快挙を伝えてあげたい。
そうして、肝高く生きていくことの大切さを伝えたい。
そう思った快挙でした。




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この記事へのコメント
すいません(≧д≦)
図書館のパソコンからの書き込みしてます。

平和学習にいけなくてすみませんでした。

でも、ブログを見た限りだと相当いい体験ができたんだなぁ~って思います。

自分もいけなかった分頑張ります。
みんなも頑張ろう(^о^)ゞ

多分、さっき間違えて書き込みしてしまったので、気にしないでrください。
Posted by かいと at 2010年08月22日 13:53
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